安全・安心な農産加工品づくり

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■第8回 衛生管理の徹底 2
 農産加工グループ員の意識を高め「衛生管理を徹底し、安全な加工品を作る」という目標をつくるために私が農産加工グループに関わってきた取り組み内容をご紹介します。

 これまでの経験から、農産加工グループ員に対して、いきなり「衛生管理」をテーマに話し始めると、「ハードルが高すぎて手に負えない」という、あきらめる気配が漂いました。

 そこで、まずは身近な「食品表示」をテーマに取り組むことにし、研修会を開催しました。
 食品表示作成研修会の事前準備では、私は農産加工グループから食品表示添削希望をとりまとめ、食品表示現物と添削に必要な情報を収集し、講師に添削をお願いします。
 そして、研修会では、具体的に身近な品目の表示例を教材に講師から指導を受け、研修会終了後、即座に改善できるように支援します。

 食品表示作成研修会では、農産加工グループの様々な状況が明らかになりました。

  • 商品として販売を始めてから食品表示を一度も確認したことがないという農産加工グループ
  • 大きな会場での研修会に出席したが、具体的にどのような表示にするのかわからないままでいたという農産加工グループ、
  • 健康福祉事務所(保健所)と農林振興事務所のそれぞれの事務所に行って説明を聞いた。いざ自分たちで原稿を作ろうと両方の事務所での内容を合わせてみると、難しすぎてわからないという農産加工グループ、

と、正しい食品表示が作成できない理由も様々であることを知りました。

 研修会終了後、私は事前に添削希望のあった食品表示の講師からの指導内容を各グループの商品毎に整理し、農産加工グループのリーダーに届けました。
 そして、参加した農産加工グループ員自らが学んだ知識や技術を活かし、正しい食品表示へ向けた改善活動の状況を見守りながら、目標達成へと支援していきました。
 正しい食品表示を作成し、商品に添えることで、農産加工グループ員達は自信を持って、堂々と商品を PRし、販売する姿に変わります。
 すると、農産加工グループ員の「衛生管理改善活動への目標づくり」へ向けた気運が急に高まり、取り組み始めるようになりました。と同時に、農産加工グループ同士の会話の中で、食品表示、衛生管理の話題が増えてくるようになりました。

 これまでの、地域農産物を原材料とした手づくりというだけでは、消費者ニーズに対応しきれない時代となっています。

 近年、食品に関する事故や事件などに対応して、製造物責任法はじめ、食品表示に関する法律が改正されるなど、食品を巡る社会の動きはめまぐるしく変化しています。
 このめまぐるしい社会の動きを的確に捉え、基本的な法律や正しい知識で自分たちの食品表示が正しい内容であるか常に確認し、正す姿勢は安全・安心・おいしいふるさと食品を消費者に提供する姿勢となって食品表示に表れます。
 ですから、そのような農産加工グループへと意識が変われば、衛生管理改善への活動の実践につながるのです。

「[1]食品表示を確認しよう(意識する)→ [2]間違いを見つける(現状認識と問題点抽出)→ [3]正しい表示内容の原稿(案)を作る(改善案作成)→ [4]添削指導を受ける → [5]もう一度確認後、食品表示を商品につけ販売(目標達成)」

という手順で農産加工グループ員が自ら改善活動を実践し、自信を得ることから始めます。

 次に、改善活動テーマを「衛生管理」に置き換えても、農産加工グループ員達は主体的に取り組もうとの態度に変化していました。

 まずは、「正しい食品表示をめざす」実践活動が「衛生管理改善活動への目標づくり」の第一歩です。


高階 智世

高階 智世(たかしな ともよ)

兵庫県但馬県民局地域振興部和田山農林振興事務所八鹿農業改良普及センター
農業普及指導員(農村生活)

兵庫県西脇市生まれ。養父市在住。
1981年 兵庫県生活改良普及員となる。
北淡路、加古川、西脇、宝塚、和田山、豊岡農業改良普及センターの普及指導員を経て
2005年から 八鹿農業改良普及センター 普及指導員。

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